
はじめに:雨樋が壊れると“家全体”が傷む
住宅の雨漏りや外壁の腐食と聞いて、まず「屋根」や「外壁材」の劣化を思い浮かべる方は多いでしょう。しかし実は、見落とされがちなのが「雨樋(あまどい)」です。
雨樋は、屋根に降った雨水を効率よく地面に排水し、外壁や基礎部分に水がかからないようにするための非常に重要なパーツです。ですがこの雨樋、劣化や詰まりを放置してしまうと、建物全体の寿命を縮める重大なトラブルへと発展することがあります。
そこで本記事では、実際の現場経験に基づき、
- なぜ雨樋の点検が家の健康を守るカギなのか
- いつ点検すべきなのか(“3つのタイミング”)
- どんなトラブルが実際に起こっているのか
を詳しくご紹介していきます。
1. 雨樋の役割と見逃されやすいリスク
雨樋は「屋根・外壁・基礎」を守る防波堤
雨樋の主な役割は、
- 屋根に降った雨水を集め
- 地面に向かって安全に排水すること
もしこの雨樋が壊れていたり、詰まっていて雨水があふれるような状態になっていると、
- 屋根の木部や軒天が濡れて腐る
- 外壁を伝って雨水が流れ、外壁塗装やサイディングの劣化を早める
- 基礎の土台が湿気で腐食する
といった、家のあらゆる部位に悪影響を及ぼすのです。
よくあるトラブルの例
- 雨が降ると、雨樋から水がバシャバシャとあふれる
- 雨の日に壁に雨水の跡がつく
- 軒下からポタポタ音がする
- 風で雨樋がゆがんだ・外れた
どれも軽視されがちですが、放置するほど深刻化し、修理費も跳ね上がっていきます。
2. なぜ“3つのタイミング”が重要なのか?

雨樋の劣化・トラブルを未然に防ぐには、「点検のタイミング」が非常に重要です。
中でも、以下の3つのタイミングは特に見逃してはなりません。
【タイミング①】築10年・15年・20年といった節目
新築時に取り付けられた雨樋でも、紫外線や雨風にさらされ続けることで、およそ10年を過ぎると劣化の兆候が出始めます。
劣化の症状:
- 色あせや変色
- たわみやひび割れ
- 固定金具の緩みや錆び
- 勾配のズレ
築10年目の点検を“雨樋の健康診断”と捉え、必要に応じて補修・清掃・交換を行うことで、その後10年、20年と快適に暮らせる家を維持することができます。
築15年を超えると「突然の破損」が増加
さらに築15年を超えると、プラスチック製の雨樋は柔軟性が失われ、強風や雪の重みで簡単に割れてしまうケースが増えてきます。
この頃には、目視だけでのチェックでは見抜けないトラブルも多くなるため、専門業者による点検が推奨されます。
【タイミング②】台風・大雨の前後(6月〜10月)
次に重要なのが、台風や集中豪雨が多発する時期です。
この時期、雨樋には以下のような過酷な負荷がかかります。
台風・大雨で起こること:
- 強風による落下・ゆがみ・固定金具の外れ
- 大量の雨水によるオーバーフロー(溢水)
- 飛来物や落ち葉・泥の侵入による詰まり
特に台風が通過した直後は、外から見て「見た目は大丈夫」に見えても、内部で詰まりやひび割れが起きていることが非常に多いのです。
台風前後の点検が雨漏りを防ぐ一番の近道
実際、雨漏りのご相談で訪問したお宅の約3割が、台風後の見えない雨樋の破損やズレが原因というケースがあります。
台風シーズン前には事前点検を、通過後には状況確認を行うことで、重大トラブルを未然に防ぐことができます。
【タイミング③】落ち葉シーズン(主に11月頃)
雨樋トラブルの“静かな元凶”とも言えるのが落ち葉の堆積です。
特にお庭や近隣に落葉樹がある住宅では、
11月頃になると、雨樋に大量の落ち葉がたまって排水経路を塞ぐことがよくあります。
落ち葉による二次被害
- 雨樋の詰まり → オーバーフロー
- 水が外壁や窓まわりに流れて外壁劣化
- 冬の凍結 → 雨樋のひび割れ・破裂
- 雨水の逆流 → 軒裏からの雨漏り
落ち葉は雨樋の内部に入り込むと、風では飛ばず、水と混ざってヘドロ状に固着します。
これを放置したまま冬を越すと、腐食や割れ、雨水の溢れが深刻化し、雨漏りにつながるのです
3. 雨樋トラブルがもたらす深刻な被害とは?
雨樋が正常に機能しないと、住宅には以下のような被害が生じます。

➤ 被害①:雨漏り
排水不良により水が逆流すると、軒裏や外壁の隙間から室内に雨水が侵入します。
天井のシミやクロスの浮きといった初期症状が見られる段階で気づければ良いのですが、内部の木材や断熱材がすでに水を吸って腐っているケースも多く、補修が大掛かりになることも。

➤ 被害②:外壁の塗膜剥がれ・サイディングの変形
雨樋からあふれた水が外壁を伝って落ちると、塗装の劣化やサイディングの浮き・反りが発生します。
この状態が進行すると、外壁塗装の全面やり直しが必要になるため、数十万円〜100万円以上の修繕費になるケースもあります。

➤ 被害③:基礎のひび割れ・土台腐食
排水が適切に行われないことで、建物の基礎周辺に水が溜まりやすくなり、
- コンクリート基礎の中性化・ひび割れ
- 木造部分(土台・床組)の腐食・シロアリ被害
などが発生します。
特にシロアリ被害は目に見えにくく、発見が遅れると構造材の全面交換が必要になり、最悪の場合、家の建て替えにまで発展することもあるため要注意です。
4. 雨樋点検はプロに任せた方がいい理由

「じゃあ、年に数回自分で見ればいいのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、目視できる範囲での点検や落ち葉の除去はDIYでも可能です。
しかし、以下の理由から専門業者による点検をおすすめします。
専門業者ならではの強み
- 屋根上や高所作業が安全・確実
- 勾配(排水角度)の微調整ができる
- 見えない詰まりや接合部のゆるみも確認可能
- 写真付き報告で状態を把握できる
- 状況に応じて保険適用の提案も可能
丸山建設でも、無料点検+写真報告書付きのサービスを行っており、必要があれば火災保険を利用した補修の申請代行も可能です。
まとめ:3つの点検タイミングが家を守るカギ

雨樋のトラブルは、目立たないからこそ放置されやすく、しかし被害は家全体に広がる――。
そんな“静かなリスク”を未然に防ぐには、以下の3つのタイミングでの点検がカギとなります。
✅ 雨樋点検の3つのタイミング
- 築10年・15年・20年の節目:経年劣化が本格化
- 台風・大雨の前後(6月〜10月):被害が最も起きやすい時期
- 落ち葉シーズン(11月頃):詰まりや凍結のリスク増大
この3つを逃さず、定期的な点検・清掃・補修を行うことで、
雨漏り・外壁劣化・基礎腐食といった深刻な住宅トラブルを防ぎ、修理費用も大幅に抑えることができます。
「最近雨樋を気にしたことがない」「前回の点検から何年も経っている」
という方は、今すぐ点検を行うことをおすすめします。
丸山建設では無料点検・現地確認・報告書提出・保険申請サポートまでワンストップで対応可能です。
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