藤村女子中学・高等学校様、第一校舎の大規模修繕工事を2022年11月に施工させていただきました。
丸山建設株式会社は、2022年11月に東京都武蔵野市吉祥寺の藤村女子中学・高等学校様の第一校舎における大規模修繕工事を請け負わせていただきました。
建物の安全性と資産価値を守るため、外装全体の調査から施工・管理までを一貫して対応いたしました。

工事の目的と背景
第一校舎は竣工から年月が経過しており、外壁タイルの劣化やシーリング材の硬化、屋上防水層の傷みなど複数の老朽化が確認されました。
学校という教育施設の性質上、安全確保と美観の維持は重要であり、計画的な修繕が必要と判断されました。
丸山建設株式会社では、事前の建物診断・改修計画立案・施工管理までを一括対応し、日常の授業や生徒動線の妨げにならないよう工期・動線計画も配慮して施工いたしました。
今回実施した主な工事内容
・仮設足場工事と安全対策

仮設足場の工事は、大規模修繕工事の中でも費用が最も大きくなるとも言われており、建物の面積が大きくなればなるほどに、費用もリスクも増加していきます。
これだけ大きな建物になると、仮設足場の設置期間だけでも1週間以上かかり、搬入するトラックの台数も10台以上です。
ご近隣の皆さまのご協力とご理解をいただきながら、慎重にしっかりと作業を進めていく必要があります。

また、当たり前ですが丸山建設株式会社では安全対策も怠りません。
設置した仮設足場と建物との間には500mmほどの隙間が空くため、その間から作業時に電動工具や資材が落ちないように、落下防止ネットを敷き詰めていきます。

工事が完了すると仮設足場はすべて解体され、形としては現場に残すことはできません。
しかしその足場には、作業する職人さんの安全はもちろん、通学する生徒の皆さまや、周囲を通行される方々への “目に見えない安全” が込められています。
・外壁打診調査(マーキング)

外壁タイルや外壁のモルタル部分を、打診棒という先端に丸い鉄のボールがついている物を使って建物の外壁すべてを調査・検査していきます。
この作業では、外壁のタイルやモルタル部分と、建物の躯体との間に空洞が無いかを打診棒で叩いた時の「音」を聞きながらしっかりと確認をしていきます。
空洞がある場合やその他の問題がある部分には、マスキングテープを貼って「マーキング」を施していきます。
・外壁タイル貼替え工事

マーキングをした部分の外壁タイルを実際に斫りながら剥がしていきます。
外壁タイルの貼替え工事は、斫り作業を伴うため工事による騒音や埃りが多く発生します。
また、剥がしたタイルやコンクリート塊の落下など、事故が起こらないよう最新の注意を払って工事を進めていく必要があります。

お写真では、ほんの数枚しか掲載できませんが、実際には何千枚と貼替え工事を実施しております。
また、外壁タイルの貼替え工事の懸念点としては、既存のタイルと全く同じデザインのタイルが造れないということです。
大規模な建物にタイル貼りが採用されていることが多いですが、その建物だけのために制作されたタイル材の場合もありますし、タイルメーカーが製作しているデザインは毎年リニューアルされています。
そのため、建築当初から10年20年、あるいは30年~50年と経過している建物に使用されている外壁タイル材のほとんどは生産終了していることが多いのです。
・外壁ひび割れ補修

外壁タイルに続いて、外壁のモルタル部分の施工もしっかりと進めていきます。
ひび割れやクラックのある個所に、先ほど施したマーキング部分に沿って工事を慎重に施工していきます。

外壁タイルも同様ですが、モルタル部分のひび割れの幅や大きさによって施工内容が変わります。
ひび割れの補修は、外壁塗装の前段階においてとても大切な下地処理で、後々は見えなくなりますが、だからと言って適当な工事は出来ません。
この下地処理が外壁塗装の最終的な仕上げの美観を左右するといっても過言ではありません。
丸山建設株式会社では、後に見えなくなる作業だからこそ、プライドと責任を持ってしっかりとした工事を提供しております。
・外壁アンカーピン打設(エポキシ樹脂注入工法)

先ほどの外壁打診調査の際に、外壁タイルの浮きは確認できたが、貼替えるまでではないタイル材に関しては「アンカーピン」と「エポキシ樹脂」というものを注入していきます。
この作業は、外壁タイルと建物の躯体との間に生じた隙間に「樹脂製の硬化剤」と「ステンレス製の固定ピン」を注入して、隙間を埋めて外壁タイルの落下を防止します。

外壁タイルに続いてモルタル部分も同様に、経年によって外壁のモルタル材と建物の躯体部分の間に生じた隙間を「アンカーピン」と「エポキシ樹脂」を注入して、コンクリート塊の落下を防いでいきます。
・シーリング打替え工事

続いてシーリングの打ち替え工事をしていきます。
経年劣化によって古くなったシーリング材をすべて撤去して、マスキングテープで両サイドをしっかりと養生をしてから新しいシーリング材を充填していきます。
大規模な建物だけに限らず、一戸建てなどでも外壁からの雨漏りがある場合は、この外壁と外壁の繋ぎ目にあるシーリング部分から、雨水が侵入して雨漏りに繋がっているケースが多いので、外壁工事の中では、とても重要な役割を果たしている作業となっております。

シーリングの打替え工事は、外壁と外壁の間の隙間よりも、少し多めにシーリング材を充填することが最も重要です。
なぜなら、シーリング工事の目的は外壁と外壁の間の隙間をしっかりと埋めて雨水の侵入を防ぐことにあるため、外壁の隙間に十分にシーリング材が充填されてないと雨水が入り込む可能性が高くなってしまいます。
少し多めに充填をして、写真のようなヘラを使って綺麗に整えながら、はみ出した部分を取り除いていきます。
・高圧洗浄作業

外壁の高圧洗浄作業は、工事の工程によって実施するタイミングと目的が大きく重要となっております。
高圧洗浄作業は、先ほどご紹介しました外壁タイルの貼替え工事や、モルタルのひび割れ工事などが完了した後に実施するほうが適切です。
なぜなら、長い年月によって蓄積された汚れと、外壁の修繕工事で発生した埃や汚れなども一緒に綺麗に洗い流すことが出来るからです。

高圧洗浄作業では、外壁だけではなく仮設足場がある時にしか実施できない「天井」や「窓ガラス」などを含めた全ての建物外部の箇所を実施していきます。
また、経年によって蓄積された汚れを綺麗に落とす作業は、単に建物を綺麗にするだけでは無く、今後の工程の「外壁塗装」の下処理として、とても重要な役割を担っております。
・外壁塗装工事

外壁塗装工事には2つの性質があり、美観を整える性質と防水性を高める性質です。
どちらも使用する塗料をしっかりと外壁に密着させて施工する必要がありますので、建物に付着した汚れを、先ほどの高圧洗浄作業で洗い流しておかないと、汚れの上から塗料を塗ることになってしまい施工不良の原因となります。

注意点として外壁タイルには、色を付ける一般的な塗装工事は出来ません。
理由としては、外壁タイルは基本的に表面がつるつるしている製品がほとんどなので、建築塗装に使用される塗料は、タイルにしっかりと密着しないのです。
なので、外壁タイルの専用塗料は防水性のあるクリヤー塗料などが主流となります。
・屋上防水工事

外壁塗装は下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りが一般的ですが、防水工事は4回塗りが基本です。
下塗りにプライマーを1回塗り、中塗りにウレタン防水材を2回塗ります、仕上げにトップコートを1回塗って合計4回です。
屋上防水は外壁塗装とは目的が全く別で、雨水が溜まる場所なので、1工程多くなっているのが実情です。

雨漏りのほとんどは、屋根や屋上などの建物の一番上から発生します。
あまり普段から目にする場所ではないため、現状がどうなっているか知らないお施主さまがほとんどですが、実際によく見てみると多くのひび割れや経年劣化が生じている場合が多いです。
建物の中でも雨風を一番受ける部分になるため、定期的な点検を丸山建設株式会社では推奨させていただいております。
・仮設足場解体

最後に、仮設足場を解体して工事完了となりますが、最後の最後まで気を抜けません。
足場材は鉄の塊なので、1つ1つの部材がとても重量があります。
高所での作業時に職人さんが手を滑らせてしまうと下に落ちてしまいますので、足場の解体は設置時と同様に最新の注意を払って進めていく必要があります。

仮設足場のネット養生を外していくと、少しずつ建物の全貌が見えてきますが、大規模修繕工事を施工する建設会社側としては、この瞬間が一番うれしい時です。
やりがいや達成感、そして多くの責任感と共に、最後まで事故のないよう慎重に進めていくこの過程は、建設会社でしか味わうことのできない貴重な経験です。
写真では伝わらない、施工を通して感じたこと

今回の工事では、学校という学びの場をお預かりする責任の重さを改めて感じました。
日々生徒の皆さまが通う環境で、安全と品質を両立させることは決して容易ではありません。
それでも現場の全員が同じ方向を向き、何度も打ち合わせを重ね、慎重に取り組むことで、大きな事故を起こすことなく、竣工を迎えることが出来ました。
「学校の工事だからしっかりやらないと」ではなく、工事の大小に関係なくすべての現場に同じ真剣さと責任感を持って全力で取り組み、一つ一つの工程を大切に重ねていきます。
学校関係者の皆様へ

この度は、藤村女子中学・高等学校様の第一校舎の大規模修繕工事において、丸山建設株式会社をお選びいただき、誠にありがとうございました。
まだ若い会社である私たちに、このような歴史ある学校の大切な工事をお任せいただけたことは、貴重な経験であり、今後の大きな自信につながります。
打ち合わせの段階からご対応くださったご担当者様をはじめ、理事長様、並びに学校関係者の皆様に心よりお礼申し上げます。
このご縁を励みに、これからも一つ一つの仕事に誠実に向き合い、確かな実績を積み重ねてまいります。
丸山建設株式会社 代表取締役 丸山駿介
建物のメンテナンスや改修工事をご検討中のオーナー様・管理者の皆様へ

建物は年月の経過とともに、外壁のひび割れや屋根・防水の劣化などが少しずつ進んでいきます。
早めの点検と修繕は、建物を長持ちさせ、将来的なコストを抑えるためにも重要です。
丸山建設株式会社では、戸建住宅からマンション、学校などの大規模建物まで、外壁塗装工事・屋根改修工事・防水工事をはじめとする、あらゆる建物のメンテナンス・改修工事を承っております。
修繕工事や改修工事に関するご相談やお見積もりなどありましたら、お気軽にお問い合わせください。


