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実は人身事故にもつながる!?瓦屋根の落下事故が年間100件を超える理由と、築年数・劣化症状別に見る補修の必要性と対策法

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実は人身事故にもつながる!?瓦屋根の落下事故が年間100件を超える理由と、築年数・劣化症状別に見る補修の必要性と対策法

はじめに:瓦屋根の“落下事故”が想像以上に多い現実

「瓦屋根が落ちてきて人に当たるなんて、そうそうないでしょう?」

そう思われる方も多いかもしれません。しかし実際には、瓦屋根からの落下事故は年間100件以上発生しているというデータもあり、その多くが台風や強風時、または老朽化による自然落下です。

特に住宅密集地では、通行人や車両に瓦が落下する事故も多く、「まさかうちが加害者になるとは…」という声も少なくありません。

本記事では、瓦屋根の落下事故が多発する原因を詳しく解説するとともに、築年数別に見る劣化の特徴や、補修の必要性とその対策方法について分かりやすくお伝えしていきます。

1:なぜ瓦屋根は落ちるのか?事故の主な原因とは

なぜ瓦屋根は落ちるのか?事故の主な原因とは1

● 原因①:漆喰の劣化による瓦のズレ・脱落

瓦屋根の構造は、下地(野地板)+防水紙+瓦+漆喰(しっくい)で成り立っています。
この中で、瓦を固定する役割を果たすのが漆喰です。

しかしこの漆喰は、およそ10〜20年で劣化が始まると言われており、剥がれや割れが起こると、瓦の固定力が失われ、強風で簡単に飛ばされてしまうのです。

なぜ瓦屋根は落ちるのか?事故の主な原因とは2

● 原因②:台風や強風による瓦の浮き・飛散

瓦は1枚1枚が重く、1枚あたり2〜3kg以上あります。
普段は安定していても、台風や突風などの瞬間的な強風を受けると、浮いた瓦が“風にあおられて滑空”するように飛んでいくことも。

過去には、瓦が飛んで歩行者に直撃し、骨折や頭部外傷を負ったという報告もあります。


● 原因③:屋根下地の腐食・破損による瓦の崩落

屋根の下地(野地板)が湿気や経年劣化で腐ると、瓦を支える力が弱まり、一部が崩れるように落下することがあります。

特に築30年を超えた木造住宅では、下地がスカスカになっているケースも多く、瓦の重み自体がリスクとなるのです。

2:築年数別に見る瓦屋根の劣化と補修の必要性

築年数別に見る瓦屋根の劣化と補修の必要性

瓦は非常に耐久性が高く、素材そのものは50年以上持つとも言われています。
しかし、構造や固定材、周辺部材は別物。築年数によって補修のタイミングと注意点は大きく変わります。


■ 築10年〜15年:見た目に異常はなくても点検必須の時期

  • 主な劣化部位:漆喰、瓦の釘、棟の接合部
  • よくある症状:漆喰の細かな剥がれ、瓦のわずかなズレ、苔の発生
  • 対策:漆喰補修(部分)、点検・屋根洗浄、防水紙の確認

この時期は“初期劣化の見逃し”が最大の落とし穴
補修費用もまだ軽度で済むため、点検して早期に手を打つことが最も経済的です。


■ 築15年〜25年:飛散・落下のリスクが現実になる時期

  • 主な劣化部位:漆喰の全面、棟瓦、屋根下地
  • よくある症状:棟の浮き・ひび割れ、釘の緩み、瓦の落下、雨漏りの初期症状
  • 対策:棟の積み直し、漆喰全面補修、瓦の固定、部分葺き直し

この時期に多いのが「棟が崩れて瓦が落ちた」という事故。
特に台風後に異常が発覚するケースが多く、放置していると大事故や雨漏りに発展するため要注意です。


■ 築30年以上:屋根全体の構造的劣化が進行

  • 主な劣化部位:野地板(下地)、防水紙、瓦のズレ・欠け
  • よくある症状:瓦の広範囲なズレ、落下、棟の崩壊、下地腐食
  • 対策:葺き直し、葺き替え(全面)、野地板・ルーフィングの交換

この年数になると、部分補修では限界があり、“全面改修”が必要になるケースが多発します。
放置し続けた結果、1枚の瓦が落下し、通行人に当たったケースも実際に報告されています。

3:瓦屋根の落下事故を防ぐための実践的な対策法

瓦屋根の落下事故を防ぐための実践的な対策法

◆ 1. 「築年数+災害後」に必ず点検する習慣を

雨風で瓦がズレていないか、棟が浮いていないか、見た目ではわからない微細な劣化も多いため、専門業者による点検が必須です。
特に、以下の条件に当てはまる方は早急な点検をおすすめします。

  • 築15年以上経っている
  • 台風・地震・大雪のあと
  • 近所で屋根工事をしている家がある

◆ 2. 瓦屋根の点検・補修費用の目安

補修内容費用相場備考
漆喰補修(部分)約3万円〜10万円棟まわりの部分補修
瓦の差し替え約1,000円〜3,000円/枚材料+人件費含む
棟の積み直し約15万円〜30万円築20年以上で多い
葺き直し(全体)約80万円〜150万円下地再利用
葺き替え(全交換)約150万円〜250万円下地も新品に交換

早めに補修すれば数万円、放置すれば百万円超…というケースは珍しくありません。


◆ 3. 火災保険の活用を検討する

実は、瓦の落下やズレ・破損が「自然災害(風・雪・地震など)」によるものであれば、火災保険が適用される可能性が高いです。

  • 台風で瓦が飛んだ
  • 強風で棟が浮いた
  • 地震でズレが起きた

といった場合、申請書類と写真を揃えることで工事費の9〜10割が保険でまかなえる例も
専門業者に「保険申請サポート」を依頼できるとスムーズです。

4:万が一の事故で“加害者”にならないために

万が一の事故で“加害者”にならないために

瓦が落ちたことで通行人に当たったり、隣家や車を傷つけた場合、住宅所有者が損害賠償責任を問われることもあります。

特に、落下リスクを放置していたとみなされると、「過失責任あり」と判断され、数十万円〜百万円単位の損害賠償になるケースも。

大切なのは、「事故を起こさないこと」。そのためには、定期的な点検と、劣化の兆候に気づいた段階での補修が不可欠です。


おわりに:早めの対応が“家と人を守る”

瓦屋根は、日本の伝統的な美しさと耐久性を兼ね備えた優れた屋根材です。
しかし、見た目の美しさに安心して劣化を見逃すと、思わぬ落下事故や雨漏りに繋がる危険性があります。

築年数や台風の後など、きっかけがあるたびに点検を行い、必要に応じて補修をしておくことで、
家も資産も、そして周囲の人の安全も守ることができます。

🔧 無料点検・火災保険の申請サポートも承ります!

瓦屋根は丈夫ですが、ズレやひび割れなどの小さな不具合が、落下事故や雨漏りにつながるリスクがあります。
特に築15年以上の住宅や、台風・地震のあとは、目に見えない劣化が進んでいる可能性も。

丸山建設では、屋根の無料点検とあわせて、火災保険を使った修理のサポートも行っています。
「うちは対象になる?」「どこから相談すればいい?」など、どんな小さなことでも構いません。

後悔する前に、まずはお気軽にご相談ください!

ハレイロ
丸山建設(株)編集部
この記事は、丸山建設(株)の編集部で作成されました。
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